2012年8月12日日曜日

Super:スーパー!




00年代のタクシードライバー




正義とはなんなのか?
神の掲示を受けた妻に逃げられた孤独な男が、
バールのようなものを片手に自らの正義の名の下に、
悪党たちへ鉄拳制裁を振りかざす

暴力というものを行使した果てのその果てまで!
人を傷つけるというツケは巡り巡って、どういう結末をもたらしたのか
彼の手元に残ったものは、結局、過去の喜びの瞬間だけだった

そんな過去の喜びの中で生き続ける彼は何か変わったのだろうか?
一見、始まりと全く変わらないラストシーン
良く観ると彼はウサギをしっかりと抱きしめていた

そう、これはまさに00年代の「タクシードライバー」である!!

デブで冴えない中年男が連れ去れた妻を取り戻すために
自作のヒーロー、クリムゾンボルトに扮して町中を暴れまくる!
その突拍子もないもない、それでいてどっか聞いた事のあるアイデアを
歪なキャラクターの愛くるしさと容赦なきまでに突き放した視点で
ハッピーエンドのその先まで描き切る快作!

暴力を行使したら、そのツケはかならず巡ってくる
目的をやり遂げた、その先に待ち受けている冷徹な運命まで容赦なく描き切ってる
突拍子もないアイデアを単純に笑い飛した「キックアス」とは表裏一体ながら一線を画す!

【人が何かにのめりこんでいく姿は客観的に観れば狂気である】
という言葉通り、もはや普通じゃない勢いで破滅に向かって行く主人公
それでも、あの壮絶な日々の中で彼の中では何かが変わっていた

一見、始まりと全く変わらないけれど、手元に何かがのっかっている
そんなラストシーンは幸せそうな彼を姿を写しているのだが、
果たしてこれはハッピーエンドなんだろうかー?

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