2013年11月7日木曜日

黄金を抱いて飛べ




泥臭くて胡散臭い鈍臭い
そんな底辺の漢たちのオーシャンズ11





社会の底辺で苦渋を舐める男たちが集まって、
四つんばいで地を這いながらもがきながら掴み取ろうとした黄金
そこにはハリウッド映画のような優雅さもなければスマートさもない、
ただただ地味でドンくさい泥まみれのCaper Movie

それぞれが社会の中で打ちひしがれてヤサぐれた男たち
そんな男の暴発とも言える無謀すぎる一世一代の犯罪計画は、
綿密と言うにはあまりにずさんで、鮮やかと言うにはあまりに無様

なぜなら、そこには犯罪のスペシャリストなど一人もいない
腕っぷし異常に強いくらいの地元のチンピラごときに
誰もがあっと驚くような鮮やかでド派手な犯罪なんて出来るわけがない
行き当たりばったりで穴だらけの犯罪計画というリアリティー

時代設定を現代にしたせいで銀行破りにリアリティが少し欠けたかな?
どうせなら、原作通り90年代に話にすれば良かったような気がする
あと北朝鮮での話が中途半端だったり、幸田の過去が描ききれてなかったり、
決して均整のとれた作品ではない事は確か

とは言え、そんな物語の粗もさほど気にならないほどに、
キャラ立ちしたキャラクター達とそれを演じる俳優陣の演技のアンサンブルが楽しい!
「何か一発ぶっ放して、パッと終わりにしてしまいたい…、いらねぇよこんな人生」っていう台詞に対する、
「だからって捨てる所がないのが人生だろ。」の返しとか最高!

社会の底にいる男たちによる泥臭くてドライでヒリついたやり取りが素晴らしい
邦画にもここまで刺激的で本格的なケイパー・ノワールが作れるんだって事に驚き!

0 件のコメント:

コメントを投稿