2014年1月3日金曜日

Mulholland Dr.:マルホランド・ドライブ




デヴィッド・リンチ版サンセット大通り




夢と現実とが曖昧なまま
それはまるでマルホランド・ドライブのように
混沌という森の中へ引き込まれていく

サンセット大通りで女優が最後に観た夢は
愛憎にまみれた艶やかな悪夢
それは一人の哀れな女優の悲しい恋の物語

まるで理解が出来ないほどに強烈な
デビット・リンチの異様で難解な世界の中で
観終わった直後の「?」はかみ締めてから、それぞれが物語を再構築していく

交通事故で記憶をなくした女が、その失われた記憶を紐解いていく物語
それはまるで無数にばらまかれたパズルのピースを観客自身が組み上げていかなければならない
しかも、そのピースを組み合わせて出来た作品は、観客それぞれで違うのである

一度観ただけではどうしてこれがカンヌを穫ったのか分からなかったけれども、
時間が経つにつれて、靄が晴れていきその作品全体を眺めたとき、
それはとてつもなく凄い作品なのだと気付く

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