2013年8月24日土曜日

Monsters University:モンスターズ・ユニバーシティ




ピクサーが描くフラタニティもの!




あの「モンスターズ・インク」の10数年越しの前日譚!
マイクとサリーが出会ったモンスターズ・ユニバーシティでの騒動を描く!

今作は、前作とは思いっきり毛色が変わって王道のフラタニティもの!
前作のオチがあまりに完結しすぎているので、設定とかキャラの特徴だけ生かして、路線変更したのは正解だと思う
とはいえ、個人的にはもっと「モンスターズ・インク」のキャラを出しても良かったと思う

映画におけるアメリカの大学描写で定番中の定番であるフラタニティ文化とスクールカースト描写
この描写の面白さは弱者がダメであればダメであるほど、敵が嫌なやつであれば嫌なやつほど、
その後に待ち受ける弱小軍団が立ち上がって下克上をしていく姿に胸が熱くなる!

それをアニメでモンスターで誇張して描くので、ダメなヤツはもっとダメに、嫌なやつがもっと嫌なやつに描かれる
そのため、感情移入がすんなり出来て、最終的には思わず握りこぶし作るくらい感情移入してしまう!

特にみんなが自分の個性を生かし合い難関を突破していく図書館のくだりがお気に入り!
サリー以外はみんな誰一人として怖がらせの能力はないんだけど、それぞれの工夫によって難関を突破していく様が痛快!
結果として、その成功こそがマイクの選択への布石になっており、かねてはこの作品自体のメッセージにもなっている

そして、下らないハッピーエンドでなく、ほろ苦い結末に仕立てたのも良かった
この世の中は不公平であり、一つの才能の前に幾多の努力はかき消されてしまうもの
どんなに努力したって報われない夢というのはあるものなのだ
そう、どんなに努力をしたって誰よりも頑張ったって、決して怖くないマイクのように―

マイクは結局夢を叶えることは出来なかった
けれども、自分を受け入れることで自分の存在意義を見出していった
きっと世の中の殆どの人がそうなのだ、「なりたい自分」と現実は違う

「モンスターズ・インク」から10数年たってリブートさせたのも、
あの頃にリアルタイムで見ていた子供たちに向けてこの作品を作ったのかな?
とも思うくらい大人でも十分楽しめる内容

ただちょっともったいないのがサリー!
最後の最後で自分の弱さを打ち明けるんだけど、そこまでの描写がひたすら嫌なやつだったので、
個人的にはもっと手前から、悩みを抱えている部分の伏線を張ってもよかったのかなと思う
「モンスターズ・インク」での温厚な性格とあまりに違いすぎて、少し気になってしまった

あと、ランドールがサリーを目の敵にする描写も理由がちょっと弱いかなー?
あれだけであんな悪いやつになるとは思えないので、あれが原因でずっといじめられ続けた的な描写があれば、
納得できるくらいに完璧なんだけどなー

正直、これ「モンスターズ・インク」でわざわざやらなくてもいいのかなー?とは思うようなテーマだけど、
上記の件を加味しつつ、それでもやっぱり安心のピクサー・クオリティー
「モンスターズ・インク」や「トイ・ストーリー」ほどの驚きはなかったけれども、無難にいい映画だった

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