2013年8月4日日曜日

The Expendables:エクスペンダブルズ




開き直りの美学




今は昔、アクション映画とは筋肉と火薬の量が多ければ多いほど偉大とされてきた
ふざけたヤツらには問答無用、正義の鉄槌を打ち下ろし、
完膚なきまでにぶち殺してからの捨て台詞こそが美学とされてきた

スクリーンには、筋肉モリモリマッチョマンの変態たちがご自慢の胸筋と重火器を片手に暴れ周り、
たった一人でどんな相手も壊滅させる、そんな男のリトマス試験紙のような作品があふれていた
プロテインとステロイドが氾濫し、脳みそすらも筋肉となってしまった【 マ ジ 半 端 ね え 野 郎 ど も 】による、
過剰すぎるくらいの爆発に彩られたSFXと肥大化する筋肉のぶつかり合いこそが正義であった―

しかし時代は変わり、VFXの進化により火薬に量は必要なくなった
人々はウジウジ悩み続けるヒーローに共感し、悪事に理由を求めるようになっていった
そして、現実と地続きの世界観を求め、【リアル】を求めるようになっていく

不運なことに、彼らにとって血と汗と爆発がほとばしるあの世界こそがリアルであり、
その当時製作された作品のほとんどが彼らの日常を切り取ったドキュメンタリー作品であったのだが、
映画を見ている観客のほとんどが、それを信じられるほどの筋肉を持ち合わせていなかったのだ

そんな古きよき1980年代にこれでもかと日常を曝け出してきた【 マ ジ 半 端 ね え 野 郎 ど も 】
時代に取り残されたエクスペンダブルズによる自嘲交じりの自虐ネタ!
開き直った漢による起死回生の一撃!一世一代の捨て身のギャグが炸裂する!
木曜日の夜、テレビ東京にチャンネルをあわしてしまうような漢の中の漢が歓喜の涙にむせび泣く!

だってそうだろ!?2010年、ランボーとコナンがマクレーンから仕事を貰ってるんだぜ!

シルベスター・スタローンを中心にドルフ・ラングレンにジェット・リーにミッキー・ローク!
シュワちゃんにブルース・ウィリスがゲストで参加するとか、なんなんだ!?このオールスターっぷり!
そして、往年の名選手の脇を固めるのは、ジェイソン・ステイサム、ランディ・クートゥワ、テリー・クルーズ!
相手役にはなんとストンコことスティーブ・オースチンにゲイリー・ダニエルズ!
名前を言っているだけでむせかえるような熱気を帯びた筋肉自慢たちが大集合!

まるで昨今のアクション映画へのアティチュードともいえる超ド直球なストーリー
銃を撃てば薬莢が飛び散る!銃弾が当たれば血液が飛び散る!爆発ってのはCGじゃ表現出来るもじゃない!
そんな当たり前のことを当たり前のようにやる、これこそ、超筋肉至上主義的リアリティー!

おれたちが本気を出せば、国の一つや二つ目じゃないぜ
そうだな、120分…いや、90分あれば十分さ

そんな男のロマンと筋肉と爆発にあふれた最強の映画
仕事の終わりにはしっかり打ち上げシーンで和気藹々
そんな木曜の夜9時の熱狂がスクリーンによみがえる…!

0 件のコメント:

コメントを投稿