2011年7月29日金曜日

ビニール・ジャンキーズ レコード・コレクターという奇妙な人生



レコード狂のレコード狂によるレコード狂のための一冊
あの真っ黒い円盤に取り憑かれた人々の狂気を尊敬と愛情と嫉妬と少しの自慢で描いた、
要するに世界規模の内輪ネタ本

レコード屋に足を踏み入れた時の高揚感も、
集めなくてはいけないという強迫観念も、
誰も手にしていないであろう一枚を見つけた歓喜も、
自分は優れたコレクターである自尊心も、

規模は違えど皆同じことなのだ
RockやSoulやJazzなどジャンルは違えど皆同じ
これなしでは生きられないビニール・ジャンキーズの宿命
僕らは互いにリスペクトし合いながら、そして敵対する
「自分の方がより良いコレクターなのだ」と

匂いや自らの身を破滅させるコレクターを見て、
「ああ良かった、まだ自分は正常だ」と安心したりして
それと同時に、ここまで狂えるなら幸せだろうなと少しの羨望もあったりする

「レコードの溝には謎がいっぱい詰まっている。その謎を解明することに俺は喜びを感じる。
一年にひとつ、謎が解ければ、それはすばらしいことなんだ。」
ここまで言えるほどのビョーキであれば、自分も是非ともなってみたい

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