2013年12月28日土曜日

かぐや姫の物語




ぼくらがこの世に生まれた意味とはー?



僕たちがこの世に生を授かり、この世に生きている意味とはなんなのか?
生きているだけで何かを犠牲にし、何かを踏みつけながら生きている僕らは、
どうしてこの世に生まれてきたのだろうか―?

それはこの世で生きる素晴らしさを知るため
全ての穢れもこの世に生きるからこそ生まれるのであり、
だからこそ、僕らは泣き笑い、そして生きて行く

日本最古の物語「竹取物語」を高畑勲が再解釈し、
空白部分を埋めて行くと全ての生を肯定するかのような壮大な物語に仕上がった
愛娘を育てる父親にとって非情とも言える真実とそれを知った姿に涙が止まらない

そんな物語をまさに挑戦とも言える斬新過ぎる作画で描いていく独創的な世界観
これは言うならば、「劇場版日本むかしばなし」のようなヘタウマ感
フリーハンドで描かれた躍動感に溢れる描写の数々は素晴らしい
特にかぐや姫が屋敷を逃げ出す爽快感には思わず息を呑む

月に行くという行為はどういう事なのか―?
かぐや姫は月で犯した罪と地上で受ける罰とは何なのか―?
劇中に答えは存在しないのだけれど、その事を常に考えながら見ていると
少しづつ、どういう事か理解して行くような気がする

一見すると「竹取物語」をなぞっただけのように見えてしまいがちだし、
2時間強という長時間、童話を見せられると眠くなってしまうのも事実
だけど、よくよく耳を澄ますように眺めているとそこから浮かび上がるテーマにハッとさせられる

そんな非常に味わい深い作品
やはり高畑勲という人はすごい...

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