2013年12月17日火曜日

Cloud Atlas:クラウド・アトラス




そして巡り会う魂たち



2004年に発表された同名小説の映画化
映画化不可能と呼ばれたこの作品をあのウォシャウスキー兄弟が無理矢理に映像化!
はっきり言ってこの規模でこんなにも実験的な作品を作るとは!


19世紀から文明崩壊後の世界までの6つの物語が時空を超えて繋がり合う
まるで別々の話のように見える6つ物語は互いに影響を及ぼし合う
それはまさに輪廻転生・永劫回帰、まるで「火の鳥」のような物語

この映画は、その繋がり合う6つの物語を同時進行で描いていく
様々な時代を何度も行ったり来たりしながら、一つの大きな物語を描いていく
はっきり言って序盤は必死でしがみつかないとついて行けないくらい難しい
まるで観客も時空を越えた物語の中で冒険しているかのうようだ

さらに面白いのが、この6つの物語を13人の俳優が一人6役で演じている事
一つの物語で主役だった人が次の物語では性別を変えて出ていたり、
その物語ではチョイ役だった人が次の物語の主役になっていたり、
所々無茶し過ぎている部分も含めて、俳優陣の演技のアンサンブルが観ていて面白い

これにより、この話のキモである輪廻転生とカルマを映画らしく表現したと言える
監督のラナ・ウォシャウスキーが語るように、これは魂の物語である
魂には肌の色も性別も関係がないが、人はどこかで繋がっているという事を表現している

当初は極悪非道なトム・ハンクスも最期はいい人になっていたり、
中世で愛し合っていた二人は未来世紀でまた巡り会ったり
そんな時空を越えた魂をこんな実験的な形で表現するなんて!

3時間もある超大作な上、一つ一つの物語の語られるべき量が多過ぎて、
途中でダレたりしてしまう所もあったりするんだけども、この斬新なアイデアで描こうとする製作陣の挑戦はとても勇敢であり評価されるべき内容だ

正直、語れなさ過ぎて薄っぺらくなってしまった物語なんかもあるが、
この作品でその「魂の物語」という部分はとても分かりやすく伝えている
全ての行為によって未来は作られる、その今の自らの行動で未来は決まっていく

難解なように見えて意外に分かりやすく作られている作品
この斬新で実験的な試みは一度観てみても損はない作品でした

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