2014年2月23日日曜日

Hours:ハリケーンアワー




映画ですら運がなさ過ぎるポール・ウォーカー



不慮の事故で亡くなったポール・ウォーカーの遺作
ひたすらポール・ウォーカー出ずっぱりなので、
皮肉にも追悼作としてはぴったりの作品なのかもしれない

とりあえず、まず言える事はこの作品云々ではなく配給会社が最悪!
その売り文句とか絶対に本編見たことないだろ!
予告やチラシに載っている事と全然違うじゃねぇーか!ふざけんな!!

この作品、ド派手なアクション作品ではなく、もっと地味なシチュエーションスリラー
このミスディレクションのせいで、せっかく間口の広いはずの作品を狭めている

作品自体は低予算なのをアイデアで挽回しようとしている意欲作
物語の殆どが病院の一室で展開されていくシチューションスリラーに、
そこにハリケーン「カトリーナ」という自然災害パニックの要素を加える
実際のニュース映像を切って貼ったり、セットはほぼ病院の中だけながら、
ひたすら緊張感を持続させるのに成功している

ストーリーを端的に言うのであれば、
「発電機を48時間3分ごとに回さなければ帰れまテン!」ってお話
ひたすら主人公であるポール・ウォーカーがツイてない
はっきり言ってラストシーンになるまでは何一つラッキーな事は存在しない!

面白いのが閉じ込められたとかそういう理由ではなく、
3分ごとに発電機を回さないといけないという発想が面白い
絶望的な状況化で娘の命をつなぐため、ひたすら発電機をこぎ続ける
そんな状況を打開するために奮闘するが、度重なる不運が彼を襲い続ける

ただ、3分っていう制約はちょっと時間的に短すぎて、
やれる事が制限されすぎて最後の方はけっこう手詰まり
そのため、場つなぎのようにやってくる妻との思い出のシーケンスで、
メソメソしてるポール・ウォーカーの姿を見て、眠くなるのも無理はない気がする

とは言え、終わりの見えない閉塞感や誰もいない孤独感が全体を支配していて、
96分間が異様に長く感じるくらいにずーっと緊張感が持続する
さらにお涙頂戴にならず、むしろ鮮やか過ぎるくらいにあっさりとしたラストの幕切れもまた良い!

話の展開力があまりにこじんまりとし過ぎているという事以外は、
低予算さを見事にカバーしたアイデア性といい、物語全体に張り詰めた緊張感といい、
なかなか意欲的で興味深い作品だと思う

ほぼポール・ウォーカーが一人で演技しているようなものなので、
皮肉にも女性ファンにとっては追悼作にはぴったりの内容となった
しかし、やっぱワイルドスピードを最後にして欲しかったよね…

きっと、彼の中でこの作品によって、
俳優としてのキャリアのステップアップを狙っていたのではないかと思うと、
やはり突然の死というのは非常に残念でならない…


R.I.P. Paul William Walker IV..

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