2014年2月13日木曜日

Rush:ラッシュ/プライドと友情




賢者は敵から多くを学ぶ



F1の歴史に「不死鳥」という名を刻んだ伝説の男、ニキ・ラウダ
彼のキャリアの中でも最も印象深く、そして今もファンの心に焼き付いているあの1976年のシーズン
最大のライバル、ジェームス・ハントとの壮絶なチャンピオン争いの様子を描く

「事実は小説より奇なり」というべきか?
神は同じ時代に対極ともいえる二人の天才を生み出した

直感とセンスという己のドライビングテクニックのみで勝負する天才
緻密な計算と戦略、そしてマシンの性能全てを使って勝負する天才
まるでリアル巨人の星みたいな二人の壮絶なライバル関係

一人の天才はもう一人の天才をワールドチャンピオンにまで引き上げた
方や、もう一人の天才は、その天才を不死鳥にまで進化させたのだった

あの壮絶な事故のリハビリシーンのすさまじさは圧巻!
リハビリをする過程の中で過酷過ぎる肺の吸入シーンの痛々しさをじっくり写しながら、
野望に燃えるニキ・ラウダの眼光のカットバックでハントの活躍を伝えるTVを写すとか!
それを経て、衝撃の早期復帰をみせるという展開は知っていたとは言え痺れたー!

そして、最大の見せ場はシーズン最終戦の日本GPでの幕切れ
典型的な二人の姿はまさにその後の彼らの生き様そのものなのかもしれない
あんなコース状態でも爆走出来るジェームズ・ハントは天才かもしれないが短命だった
あの場面であの決断を下したニキ・ラウダはその後もチャンピオンを獲得し続けるのだった

そんな対照的な二人が心を開く飛行場でのラストシーン
表面上は素っ気無い会話であっても二人の辿ってきた道筋を考えると、
グッと胸にこみ上げる何かがある!アツい!!

ニキ・ラウダの自伝を基にしたって事もあるけど、
ジェームズ・ハントの描方がちょっと嫌なヤツに描かれすぎかな?
あと、個人的にはもう少しレースシーンがもうちょっと欲しかった!

まあ、題材の時点で既に勝ち!ってところはたぶんにあるんだけど、
この二人の漫画のようなライバル関係を1976年という一つのシーズンに絞って描く語り口のセンスの良さ!
そして、お涙頂戴にならないように上手に仕上げた友情のドラマが素晴らしい!

家に帰ってYoutubeでニキ・ラウダの映像見て更にびっくりする人も多いんだろうな
F1好きはもう言わずもがなだけど、F1知らない人でも全然楽しめる内容

普通に万人にお勧めできる一本

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