2013年10月10日木曜日

地獄でなぜ悪い




こじらせまくった映画愛が生み出す純度100%の悪ノリ!




血しぶきが噴水の如く舞い上がり、まるで洪水のように血糊がぶちまけられる!
そんな血みどろな世界でブラックジョークとナンセンスとゆがんだ情熱が交差する
禍々しくも強大なエネルギーが蠢く、得体の知れない超ど級のC級映画!

園子温という男の暴走する作家性が、観客に容赦なく襲い掛かる!
己の衝動そのままに力任せにぶん投げるの様は「こまけぇこたぁいいんだよ!」
…なんてそんな生易しいものではなく、「俺が撮りたい画が撮れれば、あとはどうでもいいだろ!」状態

言うならば、ガガーリンとかスターリンとか、
その辺の初期ジャパニーズ・パンク/ハードコアのLiveを見てるみたい
己の衝動に身を任せた悪ノリが全編に渡ってスクリーンの中で展開していく!

まるで昔の香港アクション映画のように、撮りたい画を撮るためのストーリー
どこまでいってもどうしようもないB級映画臭と真っ黒なジョークにまみれたナンセンスさが支配する
…にも関わらず、二階堂ふみの魅力が爆発しまくっているという狂気の世界!

そんな歪みきった世界観についていけるかどうかが、それがこの作品を楽しめるかどうかの肝となる
なんて言うか、初期の三池崇史作品にも似ているような気がする
こじらせた偏愛を包み隠さず、人目も気にせず曝け出している姿に、なぜか胸がアツくなってくる

「歴史に名を刻む最高の一作を撮れるのなら、死んだって構わない」と声高に叫ぶように、
何か人生を狂わされ、それへの愛をこじらせにこじらせまくった全てのボンクラたちの想いを代弁し暴走しまくる!

それにしても、こんな豪華な人を集めて!この制作費で!こんなC級映画を作るなんて…
こんなことが出来るのは、園子温と三池崇史と北野武くらいではなかろうか?
ここまでぶっ飛んだ作品が見れると不思議と爽快な気持ちになる
そして、最後の最後でのメタ的なオチのつけ方もまた個人的には嫌いじゃない
ただ、正直言ってこの話にに2時間は長すぎ!もうあと30分くらいまとめてくれたら文句なしだったんだけどなー

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