2013年10月26日土曜日

Iron Sky:アイアン・スカイ




これぞ、フィンランディアン・ジョーク!





世界大戦後、いなくなったと思われていたナチス軍は、
実は月の裏側に逃亡していて、祖国を奪還するため攻めて来る!

そんなトランスフォーマーもびっくりなトンデモアイデアに騙される事なかれ、
意外や意外!この映画、まるで新聞の風刺画を映画にしたかのような、
皮肉の効いた社会派コメディーSF映画じゃないか!!

SFパロディーの定番である「スタートレック」や「スターウォーズ」はもちろん、
「博士の異常な愛情」や「猿の惑星」に加えて「ヒトラー ~最期の12日間~」など、
映画パロディが満載過ぎて、ほとんどのシーンがどっかで見たことあるみたいになってる!笑

ただしこの映画は、そんな単なる悪ノリB級パロディー映画になり下がらず、
強烈過ぎるくらいのブラック・ジョークと政治ネタをふんだんに盛り込んで、
ニヒルに小気味良く笑えるフィンランディアン・ジョークが満載!

「Yes, She Can!」と叫ぶ保守派の大統領がサラ・ペイリンにそっくりだったり、
その大統領のPRとして、何の訓練してない黒人を宇宙に飛ばしたり、
最終的にはナチスを取り込んでヒトラーみたいな選挙戦を展開していったり、
しょっぱなから、何でもありなアメリカ大統領選挙に対する痛烈なコメディーが展開!

さらに物語が進むごとにジョークもスケールもどんどんでっかくなっていって、
最終的には月にある、ある資源を巡っての各国同士で宇宙大戦争に発展していく展開は
下らないながらも、政治ネタを各所に散りばめられて鋭い皮肉満載

また映像においてもナチス軍のレトロ・フューチャーな感じなど、
造形の作り込みが見事で低予算っぽさもそこまで気にはならない!
確かにCGのチープさは所々で目についてしまうところもあるんだけれども、
そういった部分はブラックジョークが強烈な物語でカバー

下らなさと真面目さが入り交じった非常に不真面目な作品
お馬鹿映画の皮を被りつつ、しっかり牙は光らせておく
超B級SF映画だと思って見てたら面食らう、実はしっかり出来ている作品

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