2014年7月9日水曜日

The Grand Budapest Hotel:グランド・ブタペスト・ホテル




忘れられた世界に置いてきた語り継がれるべき良心



各時代を彩ったアスペクト比の中で
相変わらずの世界観が織りなす
病的なまでの愛くるしさが画角を越えて広がる

一人の偉大な作家が昨日の世界で出会った話は
結局、繰り返されてしまう戦乱の世において
絶えず語り継がなくてはいけない良心だ

まるで絵本のような美しい映像世界と
小気味良い語り口で進んで行く物語
随所に入る絶妙な加減の毒々しさの中で
強烈なキャラクターたちを豪華な俳優たちが演じる

今まで己の世界観だけを切り取ってみせていた天才が
成熟してしっかり人の楽しめる作品をつくったら、
そりゃあ面白いに決まってるじゃないか!

パッと見だけでもその映像とテンポの良さで十分楽しめるけど、
ステファン・ツヴァイクという作家の姿を重ねて行くと、
より深みを感じる事が出来る

正直、今まで食わず嫌いしてたウェス・アンダーソン作品
「あれでしょ?なんかオシャレでぼやっとしたお話でしょ?」ってナーメテーターけど、
この作品見て深々とお詫びを申し上げたいくらいに素晴らしかった
これは深く見ても浅く見ても楽しめる、万人におすすめ出来る素晴らしい作品でした

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