2014年7月13日日曜日

Transcendence:トランセンデンス




情緒不安定な奥さんが感情に流されて暴走し破滅する話



ジョニー・デップ × クリストファー・ノーラン
なんか地雷臭がプンプンな感じを見事なまでに裏切らない仕事っぷり!

監督は元々撮影監督をして、今回初めてメガホンをとったウォーリー・フィスター
で、クリストファー・ノーランは製作総指揮として裏方に回っているんだけど、
なんていうかクリストファー・ノーランらしさが全開な作品

「ダークナイト」や「インセプション」などのノーラン作品の撮影監督だけあって、
シャープでパキっとした映像はそれだけで説得力がある出来映え!
それだけに、脚本のダメダメっぷりが物凄く露呈されちゃって、
風呂敷広げた割にぜんぜん中身のない、昨今のノーラン作品らしい仕上がり

天才である愛する夫の意識をコンピューターにアップロードさせる
ただそれは本当に夫の意識なのか?ヴァーチャル世界での作り物ではないのか?
そして、それをインターネットで世界の全てを取り込んだ時、それはどうなるのか?

本来はこういうテーマの作品であるはずなんだけど、この作品に至っては、
情緒不安定な奥さんが感情に流されまくって暴走しまくり、
何も考えてない人類が勝手に騒いで世界の電源をストップさせてハッピーエンド
と、どう考えても全く腑に落ちない物語になっている

出尽くした感のあるSF設定なのだが、この作品の唯一フレッシュな点が、
普通この設定だとそのコンピューターが暴走して人類が止める!的な流れなんだけど、
実際にそのコンピューターの行いが正しく、ただ単に人類がそれの邪魔をして、
その結果、ディストピアな世界へ突入した事になっている事

しかもそれが良きことのように描かれているので、観客はひたすらキョトン
「あれ?これってジョニー・デップの考える世界の方が良い世界なんじゃないか...?」
エンドロール中ずっとそれしか考えられなかった...

もう穴だらけの脚本に妙に説得力のある映像、そして意味ありげな演出
なんか村上春樹を真似して失敗してしまったかのような作品だった

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