2013年2月11日月曜日

シー・ユー・ネクスト・サタデイ 完全収録『激殺!映画ザンマイ』 / 柳下 毅一郎



ウェイン町山とのファビュラス・バーカー・ボーイズとのコンビで界隈では御馴染みのガース柳下こと、
柳下 毅一郎が「Weeklyぴあ」で6年間掲載された映画紹介コラム『激殺!映画ザンマイ』をまとめた一冊
その週に観られる映画をテーマに、名画座や自主上映もごっちゃ混ぜにして、映画を紹介しまくる!

ファビュラス・バーカー・ボーイズではどちらかと言えば、冷静でなだめ役的立ち位置だったけれども、
本作では、もう好き放題言いまくり!のかなり痛快な映画紹介になっている。
豊富な知識に裏打ちされた、的確過ぎる突っ込みと悪ふざけに思わず顔がにんまりしてしまう。

1998年から2003年まで249本の映画を紹介する。
そこに勘違いや間違いはあれど、その時観た瞬間の感情をそのまま掲載している。
それはもともと映画の楽しみ方はそういうものであり、その時の体験こそが大事だから。
DVDやビデオが流通している前、映画と言うのは一度も見返す事の出来ないメディアだった。
だからこそ、その脚色された記憶すらも映画の一部なのだとあとがきで語っている。

「シー・ユー・ネクスト・サタデイ」とはジョン・ランディスの「See You Next Wednesday」からとっている
毎週水曜日がグラインドハウスの番組が水曜日に変わるので、
「See You Next Wednesday」がB級映画の合い言葉になっているのだ
という素敵な嘘をそのまま日本における新作が封切られる土曜日に置き換えたのである。

そんな歪んだ映画愛に満ち満ちた映画評を、トリビアと痛快過ぎる猛毒を一握り加えてサラッと仕上げた一冊

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