2013年3月22日金曜日

桐島、部活やめるってよ




ゼロ年代の青春映画




「おい、桐島、部活やめるってよ…」
ある週末、そんな噂が静かに学年中を駆け巡った

友人、恋人、チームメイト、友達etc...
誰にも何も告げずに突然姿を消したスクールカーストの頂点
その影響はクラス、部活、そして彼らの青春すらも狂わせる

かっこつけに勘違い
どうでもいいステータスとそれにこだわるちんけなプライド
学校と言う限定された空間の中で展開される痛々しくて、
それでも必死にもがいている三者三様の青春

誰もが登場人物のいずれかにあの頃の自分を投影し、
あの頃に感じたほろ苦い気持ちを思い出さずにはいられない
それぞれのグループの人間関係に思わず首を頷きながらも、
本当はどの社会にでも存在している、他人事ではないことに気づかされる

それぞれに、それぞれの思いや物語が存在し互いに交差する学生時代
少年少女それぞれが過ごした、桐島のいなくなった週末を
重層的に語りだし、次第にパズルが解けていく感覚が気持ちいい

そんなひねくれた物語が最後の最後に語りだすのは、
純粋に自らの好きなことに向かう事の素晴らしさ!
例えそれがダサかろうが、馬鹿馬鹿しかろうが、
なりふり構わず、本気で何かをやっている人間は尊いのである

スクールカーストの最底辺に生きる者たちが、
ゾンビみたいに生きているヤツらを襲うラストシーンを見て、
それでも生きていかなくてはいけないこの世界が少し輝いて見えた気がした

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