2012年1月1日日曜日

Monster:モンスター




ハイウェイの中心でアイを叫んだけもの




「ハイウェイ・キラー」として全米を恐怖させた「モンスター」
彼女はどうして「モンスター」になってしまったのか―
それは、妄信的にまで渇望した愛を失なわない為に、彼女が見出した唯一の方法だった

愛に渇望した者がやっと見つけた一つの愛
それを求めるがために彼女はまた人を殺めていく
そしてそれが罪の意識となり、彼女はさらにその愛に溺れていく
ただし、いつも選択間違える彼女の負の連鎖を断ち切る事も一つの愛なのだ

救いようがないくらいに悲劇の人生を送ってきたアイリーン・ウォーノスの
不器用で脆過ぎる心とまっすぐ過ぎる歪な愛情が見え隠れして、
思わず同情してしまいたくなるんだけれども、やっぱり彼女の選択した方法は許され難い
皮肉にも劇中で、セルビーの居候先の女性が言う「そういう人はいつも選択を間違える」
この言葉に全てが集約される

とはいえ、それが本当に愚かで許し難い行為だとしても
その不器用で歪みながらも真っすぐ進もうとする獣のような姿を観て
どうしても彼女を「モンスター」と呼ぶ事が出来ない

序盤でどん底から救いの光を見出したはずなのに、物語は最後まで悲劇の中で堕ちていく
あるホワイトトラッシュの悲しくも許し難い生涯をシャーリーズ・セロンが迫真の演技で描く

どんなに不幸な境遇でさえ、罪の報いはやってくる
例え、それがその場しのぎでやり過ごしたとしても、それはいつか必ず帰ってくるのだ
なんかあの事故から年明け一発目の映画にして、なんだか感慨深いものがあった

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