2013年9月16日月曜日

Elysium:エリジウム




ひとり二番煎じ




あの「第九地区」のニール・ブロムカンプのハリウッド一作目
って事で嫌が応にも期待してしまうのは間違いなし!
いざ蓋を開けてみると、第九地区とやってる事はほとんど一緒じゃねーか!
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ただし、本作は「第九地区」は超えられていなかった
なぜ予算も俳優もパワーアップしたにも関わらず、越えられなかったのか?
それは、この作品から「第九地区」に感じた熱量を感じることが出来なかったから
なんか監督の意図よりも企画だけが先行してしまった感じがした

何より、脚本がご都合主義な上に描いているテーマも薄っぺらいのが致命的
貧困の描写はこだわりを持って作られているのに富裕層の描写が全くないため、
最大のテーマである貧富の差という点において話に深みが感じられなかった

医療ポッドは現代アメリカにおける医療保険のメタファーなのかなー?と思いつつ、
あくまで主人公側での主張でしかそのテーマを描けていないので、
なんだか自分よがりで陳腐な主張になってしまった印象

また、「第九地区」のストーリーテリングで非常に斬新だった、
途中で敵と味方の視点が入れ替わるような話の意外性もない
これなら予算かけて「第九地区」の焼き回しした方が良かったんじゃないか?とすら思えてしまう

とは言え、平均点はちゃんと越えている
これはひとえにニール・ブロムカンプの描く世界観の素晴らしさ!
造形やデザインはもとより、ディストピア描写が本当に素晴らしい!
主人公たちの車がGTRを改造したものだったり、武器はAKを改造したものだったり、
そういう細かな造形や描写が現在と地続きの近未来感を生み出している

残虐描写はクローネンバーグっぽいし、エリジウムはどこか2001年宇宙の旅っぽい
その上、メカ描写は士郎 正宗っぽかったりと随所でSF映画やジャパニメーションへのリスペクトがビンビン!
映像だけだったら言う事ないくらいにかっこいいだけに脚本の不出来が非常に悔やまれる

今作だけでニール・ブロムカンプ評価を決めるにはもったいない気がする
それだけに次回作でニール・ブロムカンプの真価が問われるのかも!

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