2013年9月22日日曜日

Training Day:トレーニングデイ




こんな 配属一日目は いやだ



LAPDの麻薬取締課に配属された新米刑事のトレーニングデイ
それはあまりに壮絶であまりに過酷過ぎる一日
伝説の刑事の背後には、真っ暗でドス黒い闇がうごめいていた
初任務を終えた帰り道、青過ぎた新米刑事は何を思ったのか―

とりあえず、最初っから最期まで一貫した見事な悪徳刑事っぷり!
LAPD伝説の刑事は、いきなりシボレー・モンテカルロで現れたと思えば、
運転しながら飲酒に大麻にやり放題!しまいには新人に吸引させる破天荒っぷり!

ここまでは、度は超えているが破天荒でいい人のように見えている彼だが、
物語が進むに連れて次第にその本性が露になっていく
それでも観客はこういった悪事もまた潜入捜査の極意なのだと信じているのだが、
止まらぬ暴走を目の当たりにし、観客もイーサン・ホーク同様に疑心暗鬼になっていく

「狼を倒せるのは狼だけだ」
自らの行動の意味を新米刑事に言い放つのだが、
彼が正義の道に戻るにはどっぷり悪につかりすぎてしまった
結局、最期に待ち受けるのは「ゴッドファーザー」もびっくりな死に様

この悪徳刑事を演じたデンゼル・ワシントンの最期まで信じたくなる優しい目と
今まで気さくだったのに悪事を行う瞬間から一変する表情も見事
相棒の新米刑事を演じるイーサン・ホークもまたちょうど良いビビり感がいい!
序盤では自信なさげな目つきだったのに、最期はまさに狼のような目つきに変わっている
この二人の演技のアンサンブルがとても相性良かった!

何より面白いのが、新米刑事の配属一日目だけを2時間に凝縮させた物語!
まさにこれは「24」の原型とも言っても過言ではないかも!
本当に壮絶だった一日の任務を終え、彼に何が残ったのか―?

自ら狼にならないといけない麻薬取締捜査
悪事に手を染めながらも、しっかりとターゲットに向かって任務をこなしていくべきか、
それとも自らの正義感に従って清く正しく任務をこなすべきなのか―?
この問いが見終えても自分の心に訴えかける!

どんでん返しやうまい伏線の回収などがある訳ではないけれども、
巨大な力に立ち向かうにはどうしたらいいのか考えさせられる一本
これでデンゼル・ワシントンがアカデミー賞主演男優賞において、
オスカーを獲得したのも納得とも言える奥深い演技が十分楽しめる一本

0 件のコメント:

コメントを投稿