2013年9月2日月曜日

カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生 / 渋谷直角



なんだ、この胸に突き刺さる痛みは!?


「なんかわからないけど有名になりたい」
「誰もオレの事なんかわかってくれない」
「周りのヤツはオレについてこれてない」
「人と違うオレをみんなに知って欲しい」

そんなサブカルクソ野郎たちの物語
もしもこの作品を見て怒りを覚えたら、それは現在の貴方の事を書かれている―
もしもこの作品を見て胸に痛みを覚えたら、それは昔の貴方の事を書かれている―

そうなんだ、サブカルだとかヲタクだとか洋楽だとか映画だとか…

自分がそういうのに舵を切ったきっかけって、「人とは違うオレ」になりたかったからなんだ!
それは、大した知識もないくせに、せっせと何かのblogを書いている
...そう、今のオレもきっとそうなんだ!

この本を読んで、ミニシアター系の映画を漁りながら、せっせとmixiにレビューを更新し、

メタルのTシャツを着てみたり、授業を遅刻してDisk Unionでレコード買ってみたり、
キャンパスライフを謳歌する男女を一瞥したフリして本当は羨ましくて仕方なかった大学生のあの頃を思い出してしまった...
あの黒歴史は魔封波にして電子ジャーにいれていたはずだったのに、この本はその電子ジャーを素手でぶち壊すようなモノだ

個人的には「口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画 (MASH UP)」が最高に好き

この作品は他の作品と少し毛色が違い、全てのクリエーターに向けてエールを送っている作品
宮沢賢治の「春と修羅」の引用に、思わず握り拳を震わさずにはいられなかった!

正直、お世辞にも上手いとはいえない絵ではあるんだけど、

それを補っても余るくらいの毒々しさと負エネルギーに満ちている
これを見て何にも感じなかった人はきっと幸せな人生を送れると思う

これを見て良くも悪くも何かしらの感情を抱いてしまった人は、

きっとめんどくさい人生が待っている

...ようこそ、こちら側へ

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