2013年5月19日日曜日

Beasts of the Southern Wild:ハッシュパピー -バスタブ島の少女-




そして、少女は世界というものを知る




6歳の少女から眺める世界は、全てが幻想的で色鮮やかなワクワクに満ち溢れている
それと同時に、まだ見たことのない得体の知れない恐ろしい何かにも満ち溢れている

河川に囲まれたバスタブ島で生きる人々の姿と
彼らに待ち受ける過酷な運命を6歳の少女の瞳から眺める
その健気で真っすぐな瞳に映るもの全てが純粋な彼女を成長させていく

南ルイジアナをモデルにそこで起こる出来事を
現実と空想が入り混じったまま、少女がその時感じたままの光景をそのままに切り取り、
まるでおとぎ話のような壮大でファンタジックな世界観が躍動する

この世界は繊細な仕組みを持ちながら、命を持ち、呼吸をし、生きている
そして宇宙にあるすべてのものがうまく収まっている
そう信じていた少女に襲った過酷な運命

それはカトリーナを思わせる100年に一度の大嵐
楽しくて仕方がなかった日々が一瞬にして消えてしまった
彼女はほんの少しのカケラでも崩れたら世界全体が崩れてしまう事を悟った

そこからはじまる非日常の日々が少女を成長させていく
少女は知っていた、パパはどんどん弱くなってしまう事を
様々な出会いや経験を得て、彼女は自分が強くならなくてはいけない事を知る
「そうか、オーロックから私が守らなくちゃいけないんだ!」

クヮヴェンジャネ・ウォレスの本当に今しか出来ないピュアでハツラツとした演技が素晴らしい
強くなるためにぐっと涙をこらえながら強がる少女の姿を観ただけで、自然と涙があふれる
6歳の少女が語る世界を描く世界観は独特ながら鮮やかに躍動している!

新人監督と新人子役による化学反応が本当に素晴らしい方向へ向かったのだと思う
万人にオススメ出来る素晴らしい作品だった

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