2012年3月2日金曜日

Les Triplettes de Belleville:ベルヴィル・ランデヴー



迷い込んだ白昼夢



とりあえず変!

細部だけ妙にデフォルメされたおどろおどろしいキャラクターが
愛くるしさ全開で毒々しさを炸裂させている摩訶不思議な世界観
デブっちょばかりの摩天楼で巻き起こすおかしな大騒動!

自閉症気味の息子が唯一興味を示した自転車
おばあちゃんは自転車を買い与えると、みるみるうちにのめり込んでいく
息子の夢だったツール・ド・フランスに出場したのだが、
突然現れた悪の組織に連れ去れてしまう!
そんな息子を取り戻す為に、おばあちゃんと犬の大冒険が始まる!

これだけ聞くと、とても平凡な物語ではあるんだけれども、
味わえば味わうほどに一癖も二癖もあるその独特さがクセになる
スキモノには堪らない毒々しいアニメーション!

海外の新聞にあるような風刺画をそのままアニメにしたような、
最小限の台詞の中で、どこかひねくれているユーモアセンスが随所に光る!

解釈の隙間を存分に残したラストは、観客一人一人がこの物語の意味を埋めていく
刺激的な味で舌がビリビリしびれながらも、最後はそんな味わい深さも残していく
大胆に最新技術を取り入れながら、精密に描かれるセル画にはアニメ愛すらも感じる
今まで観て来たアニメとはちょっと違うシルヴァン・ショメの作風にトリップするのも悪くない

個人的には導入部と3人のおばあちゃんとのガラクタ楽器のライブシーンがお気に入り
万人にはお勧めできないまでも、ハマる人にはハマってしまう一本

0 件のコメント:

コメントを投稿