2013年4月18日木曜日

Django Unchained:ジャンゴ 繋がれざる者




マカロニ・ウエスタン meets ブラックスプロイテーション




タランティーノによる「お前らの歴史の鬱憤はオレの映画で晴らす」映画の第二段!
「イングロリアス・バスターズ」同様、面白ければなんでも良し!というB級映画ってのを逆手にとって、
アメリカ南部を舞台に黒人奴隷が白人ブルジョワ達をぶっ潰すトンデモ映画!

西部劇をそのまま南部に置き換えた事で、誕生した黒人のカウボーイ!
アメリカのタブーである奴隷制度をブラックジョークで大胆にぶった切る!
特にKKKの祖先オマージュのレギュレーターズのお馬鹿さ具合はもう痛快!

タランティーノが昔から撮りたかったジャンルであるマカロニ・ウエスタンだけに、
映画のタイトルからプロットに台詞や顔のどアップに至るまで、
これでもかと詰め込まれたタランティーノのこだわりで、本編は三時間近くにも及ぶ超大作!

それでも、個人的には相変わらずのテンポの良さと編集センスで、
その三時間近い時間は苦に感じず、むしろあっという間に感じられたけど、
無駄な会話劇やくだらないゴタゴタで紡ぎ合わされていく、
「タランティーノ節」にのれない人には正直相当つらい話かも!

それでも、タランティーノ自身が爆発して口火を切る後半のアドレナリン全開の銃撃戦の興奮度、
広大な荒野を背景に1カットごとにポストカードに出来るくらいのかっこいい映像、
そして、ノリノリの俳優陣の演技の最高具合は誰にとっても異論はないはず!

特に主役級というもはや主役と言っていいDr. シュルツを演じたクリストフ・ヴァルツが、
登場から死に際に至るまでアカデミー賞獲得するのも納得のかっこよさ!!
あと、本気で血を出してまでノリノリで演じ切ったレオ様とケレン味しかないサミュエル・L・ジャクソンも最高!

寡黙な流れ者のカウボーイが活躍する西部劇にクールな黒人ヒーローが白人をぶっ殺すブラックスプロイテーション
「この二つを混ぜたら、嫌いなはずないだろ!」的な超がつくほど痛快娯楽作品!
何より、そもそもジャンル映画だって事を踏まえて、元ネタを知らなくたって全然楽しめる敷居の低さが素晴らしい!

次回作は、チベット辺りで修行僧が中国軍をぶっ潰すカンフー映画とかが観たい!

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