2013年4月10日水曜日

Valhalla Rising:ヴァルハラ・ライジング




全ては圧倒的な映像が物語る



あの「ドライヴ」のニコラス・ヴィンディング・レフンによる、
北欧神話をベースとした壮大な世界観が広がる作品

当初は凄まじい暴力描写と壮大な世界感が広がる作品の雰囲気に酔いしれ、
極端に台詞の少ない語り口の中で、自分なりに物語を構築していく
「ベルセルク」のような話に鳴って行くのかと思いきや、
気付けばまったく訳の分からない方向へ話が進んで行く

正直、北欧神話を含めヨーロッパの歴史に疎い自分にとって、
今まで見てきた作品の中でもトップクラスに難解な物語だった
この物語は何を表現し、何を伝えようとしているのか?
ラストシーンを迎えてもそれが全くわからなかった...

このヴァルハラとは、戦争と死の神であるオーディンの神殿
そして、オーディンは片目である事から、ワン・アイとはオーディンの事である
つまり、ヴァルハラ誕生の物語なのだろうとは察しはつくのだけれど、
各シーンに隠された意味やメタファーを読み取る事は出来なかった...

というのも、この作品は極端と言っていいほどに何も物語らない
主人公は全く口をきかず、BGMは流れず、解説なんてものは一切ない
観客はただひたすら、流れる映像に身を任せるしかない
きっとこれが何かを象徴しているであろうというのは分かるんだけど、
それが何を表しているかなんにも分からないもどかしさたるや!

にも関わらず、この作品を無視することが出来ないのは、
その美しく幻想的な世界観と容赦ない暴力描写の凄まじさが織りなす
圧倒的な映像の力にグイグイ引き込まれてしまうから!

この作品に「言葉」がほとんどない分、その映像がこの作品の物語を語っている
まるで現代美術を見ているかのような気分になってくる
きっと今の自分では、この作品が物語っているメッセージというものを
1/10程度しか聞き取れていない気がする...

ただし、この映画を見終えた時にはっきりと分かるのは、
この作品が「娯楽作品」とは遠くかけ離れた作品である事と
映像の力だけで90分間語り切ってしまうニコラス・ヴィンディング・レフンの凄さ
それだけはこの作品を一回見ただけで思い知らされる事となる作品

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